ThinkPad X240にWindows11をインストール(準備編)

PC

現役で使えるレベルの自社のSurfaceでさえ、
切り捨てるほど厳しいMicrosoft Windows11のシステム要件。

ですが、Windows10がそれなりに動いていれば
Windows11も動く気がしてなりません。

そこで、今でもWindwos10で現役のThinkPad X240に
Windows11をインストールしたいと思います。

長丁場のため、準備編、導入編と2回に分けてお伝えします。
準備編の今回は、Windows11のシステム要件への適用(CPUを除く)を行います。

具体的には次の2つを行っています。
1.ThinkPad Setup プログラムでTPM2.0に変更
2.ThinkPad Setup プログラムでセキュアブート&UEFIブートに変更

  ※UFEIブートには、ドライブがGPT形式である必要があります。
   今回はドライブがMBR形式のため、GPT⇒MBRへの変換を行いました。

製品仕様と必要システム要件

あらためて手元のThinkPad X240の仕様と、
Windows11のシステム要件を比べてみました。

項目 ThinkPad X240 Windows11
CPU Intel® Core™ i5-4300U プロセッサ 1.9GHz 1 GHz 以上で 2 コア以上の
64 ビット互換プロセッサまたは SoC
メモリ 8 GB (PC3-12800 DDR3L SDRAM) 4GB
ストレージ SSD 120GB 64 GB 以上の記憶装置
グラフィックアクセラレータ CPU内蔵 Intel® HD Graphics 4400 DirectX 12 以上
(WDDM 2.0 ドライバー)
ディスプレイ 12.5型FHD TFT液晶(ISP)
(1920×1080×ドット、1,677万色)
対角サイズ 9 インチ以上で8 ビット カラーの
高解像度 (720p) ディスプレイ
システムファームウェア BIOS/UEFI(BIOSで起動) UEFI
セキュアブート なし 対応
TPM 1.2 2.0

Windwos11のシステム要件を満たしていないのは次の4項目。

・CPU
・システムファームウェア
・セキュアブート
・TPMバージョン

当然ですがX240のCorei5 4300Uは、
対応リストに載っていません。
ですが、要求周波数1GHz以上に対し1.9GHz
2コア以上の要求に対し2コアあります。

また、セキュリティ関連の、システムファームウェア、セキュアブート
そしてTPM2.0は何とかなりそうです。

では、やってみましょう!

TPM2.0

セキュリティ関連の項目である
システムファームウェア、セキュアブート、TPMバージョンについて、
システム要件を満たすよう、設定を変更します。

TPM1.2からTPM2.0への変更

x240-setup1

電源を入れ、F1キーを押して、
ThinkPad Setup プログラムを立ち上げます。
上の項目を[Main]から[Security]へ移動し、
[Security Chip]を選択します。

x240-setup2

一番上の[Security Chip Selection]の
パラメータを
[Discrete TPM]から
[Intel PTT]に変更します。

x240-setup3

最後に盛大に警告が出ますが
[Yes]を選択します。

警告内容は
「全ての暗号化キーがクリアされます。
セキュリティがIntel PTTに設定された場合、
Intel AMTとIntel TXTは無効になります。
本当に続ける?」
YesにしないとTPM2.0にできないのでYesで。

TPMを2.0へ変更する作業は以上です。

~ 略語の説明 (1)~
TPM : Trusted Platform Module
Intel PTT : Intel Platform Trust Technology
Intel AMT : Intel Active Manegement Technology
Intel TXT : Intel Trusted Execution Technology

UEFI&セキュアブート対応

警告

以降の操作において、ドライブ内のデータがすべて消える可能性があります。
もし実施される場合は、自己責任にて実施ください。

セキュアブート設定&UEFI変更

x240-setup4

TPM2.0への変更作業に続いて、
同じく[Security]の項目の中の
[Secure Boot]に移動し、
選択します。

x240-setup5

一番上の[Secure Boot]の
パラメータを[Disabled]から
[Enabled]に変更します。

x240-setup6

同時に[Startup]にある
UEFIの設定も変更されるので、
これも[Yes]を選択します。

x240-setup7

変更をセーブして終了します。
以上でセキュアブートおよび
UEFIの設定は完了です。

これでセキュリティの設定が終わって、
Window11のインストールに挑戦できる、
と思ったのですが、
そうは問屋が卸しませんでした・・・



x240-setup8

再起動しても、左の画面になり

Windowsが立ち上がりません(>_<)

接続されているドライブは認識していますが、
起動のための情報を認識できていないようです。

一旦、セキュアブートとUEFIの変更を
元に戻します。

MBRをGPTへ変換

ネットの情報を頼りに、原因を調べて分かった事。
UEFIの場合、ブートに使用するドライブは
GPT形式でなければならないようです。

知らんがなっ!!

ネットでは関連情報が山のようにありました。
勉強になります。
インターネットって素晴らしいです☆

MBRからGPTへの変換方法

1.ドライブ上のすべてのパーティションを一度削除しGPTに変換する
2.データの削除なしにGPTに変換する

のいずれかで変換します。

今回は、2.データの削除なしにMBRをGPTに変換する方法を採りました。
変換には特別なソフトは必要なく、mbr2gptというコマンドで行います。
これはコマンドプロンプト上で実行することができます。

以下サイト参考にさせて頂きました。

MBR2GPT - Windows Deployment
MBR2GPT.EXE を使用して、ディスク上のデータを変更または削除せずに、ディスクをマスター ブート レコード (MBR) から GUID パーティション テーブル (GPT) パーティション スタイルに変換します。

mbr2gptで変換を行うためには、
ディスクが以下のような条件を満たしている必要があります。

・MBRパーティションテーブルにあるプライマリパーティションが最大3つまでであること
・ディスクには、拡張パーティションや論理パーティションがないこと
・ドライブに空き容量が100MB以上あること

・・・などなどです。

~ 略語の説明 (2)~
UEFI : Unified Extensible Firmware Interface
MBR : Master Boot Record
GPT : GUID Partition Table

現在のドライブ状況確認

コマンドプロンプトで”diskpart“と入力すると、
DISKPARTというプログラムが立ち上がるので、
ドライブの情報を調べます。

C:\> diskpart #diskpartを立ち上げ
・・・
DISKPART> select disk 0 #disk0を選択
・・・
DISKPART> list partition #パーティションのリストを表示

x240-terminal1

パーティションは最大3つまで

上段の実行画面にある通り、
リストでパーティションを確認すると4つあります。

パーティション数は最大3つが条件でしたので、
削除する必要があります。

・Partition 1 :System
・Partition 2 :Recovery image
・Partition 3 :Windows
・Partition 4 :回復パーティション

となっています。
USBに回復ドライブを作成済なので、
Partition 2 と 4 を削除することにしました。

x240-terminal2

DISKPART> exit #diskpartを終了します

変換できるかどうかの検証と処置

ひとまずここまでの段階で、
mbr2gpt で変換ができるか検証してみました。
mbr2gpt の後に各種オプションを付けて実行します。

C:\> mbr2gpt /validate /disk:0 /allowFULLOS # /validate は検証のためのオプション
# /allowFULLOS は実行中のWindows下での変換するためのオプションです
・・・
Cannot find OS partition(s) for disk 0 # OSのパーティションが見つからないというエラーです

エラーとなりました(>_<)


ドライブ名が付いてないのが問題かと思い、
Partition 1 にDドライブを割り当てました。
これをやらずに検証が通れば
必要ない処理と思われます。

x240-terminal3

Cannot find OS partition(s) for disk 0“で検索して見つけた、
以下の動画を参考に”bcdedit“でブート構成データの現状を確認し、
関連しそうな部分を真似してみました。

https://www.youtube.com/watch?v=fqY_JLJsw9o
x240-terminal4

続いて、recovery sequence の内容をコピーし、”bcdedit /delete” で削除。

x240-terminal5

ここで再度、変換の検証を行うとエラーはなくなりました。

MBRからGPTへの変換

コマンドプロンプトから”mbr2gpt“を実行し変換を行います。
WinREをなんとかしてねってコメントを残しつつ、
終了したようです。

C:\> mbr2gpt /convert /disk:0 /allowFULLOS # /convert は変換のためのオプション

x240-terminal5

ThinkPad Setup プログラム で
再度UEFI、セキュアブートの設定を行い
再起動してみると、
立ち上がりませんでした・・・

もう一回やり直しか、と思い
UEFI、セキュアブートの設定を戻して
再起動しましたが、
Windows10も立ち上がりません (>_<)

ブートローダーの修復

Boot関係の問題と推定し、
それらしい内容で検索して見つけたのが以下のページ。

Dell製コンピューターのWindowsオペレーティング システムのGPTハード ドライブでEFIブートローダーを修復する方法 | Dell 日本
この記事では、EFIブートローダーがGPTハード ディスク ドライブで正常に起動しない問題を解決する方法について説明します。これには、さまざまなWindowsオペレーティング システムでの手順が含まれます。

このページの手順に従って、
回復ドライブ(USB)からEFIブートローダーの修復を行ったところ、
無事にWindows10
立ち上がりました。

ドライブの情報を確認すると、GPTに変換されていました。
これでなんとかTPM2.0、セキュアブート、UFEIモードはクリアです。

まとめ

ThinkPad X240をWindows11のシステム要件のうち
TPM2.0、セキュアブート、UFEIモード以下のように対応できます。

1.ThinkPad Setup プログラムでTPM2.0に変更
2.ThinkPad Setup プログラムで セキュアブート&UEFIブートに変更

ドライブの状態によっては、
・ブートドライブをMBRからGPTへ変更
・ブートに異常があれば回復ドライブからブートローダーを修復
が必要になります。

次はようやくWindows11のインストールです。

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